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NMNの糖尿病への効果は?現状の研究内容・摂取方法・副作用について解説!

糖尿病は生活習慣病の1つで、血液中の糖分濃度が高くなり、さまざまな臓器の機能低下を発生させる病気です。

生活習慣病の中でも代表的な糖尿病は、日本で1000万人以上の方が糖尿病が強く疑われるといわれています。また、糖尿病の疑いがあると分類される方も含めると2000万人に達します。

そのため、NMNに糖尿病への効果があるのか気になる方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、NMNの糖尿病への効果について現状の研究内容を踏まえながら解説していきます。NMNの摂取方法や副作用も紹介するので、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

NMNとは?

NMNはビタミン3の一種で、その若返り効果から近年注目を集めている成分です。ニコチンアミドモノヌクレオチドが正式名称で、人以外にもあらゆる生物に備わっています。

NMNは体内で生成されているものの、加齢に伴い減少していくことが知られています。そのため、NMNを摂取して自ら補うことが大切です。

中にはNMNを含む食品もあることにはありますが、ごくわずかな量しか含まれておらず、食品からの摂取は現実的ではありません。NMNの摂取方法については後述します。

サーチュイン遺伝子とNADの関係性

NADは私たちの体内でのエネルギー産出において重要な役割を果たしており、生きていくために必須の成分です。

また、私たちの体内には、老化や寿命の制御において重要な役割を持つサーチュイン遺伝子が存在しており、NADはサーチュイン遺伝子を活性化する作用があります。サーチュイン遺伝子が活性化すると、脂質代謝や代謝異常などの身体機能を改善する効果がもたらされると期待されています。

しかし、10代後半をピークに年齢とともにNADの量は減少してしまうのです。そのため、健康を保つためにはNADを補うことが大切なのですが、食品などで経口摂取しても体内へは吸収されません。このことから注目されているのがNMNです。

NMNは体内へ吸収されたのち、サーチュイン遺伝子を活性化するNADへと変換されます。つまり、NADの前駆体となるNMNを摂取することが大切であるといえます。

糖尿病ってどんな病気?

糖尿病は生活習慣病の1つで、血液中の糖分が普通よりも多くなってしまう病気のことをいいます。糖分は体内におけるすべての細胞のエネルギーとして利用されており、生きていくうえで欠かせない栄養素です。しかし、血液中の糖分が増えすぎると、過剰な糖分が体内の各組織にダメージを与えてしまいます。

通常であれば、血糖値は一定に保たれるよう、厳密に制御されています。たとえば、膵臓から分泌されるインスリンと呼ばれるホルモンは、肝臓・脂肪・筋肉に糖分を吸収するように指令を送り、食後に上昇した血糖値を下げる働きがあります。また、肝臓は糖分が不足すると、それまで蓄えていたグリコーゲンという多糖類を分解することで、血液中に糖分を放出します。このような血糖値を維持する機能がうまく働かなくなったとき、糖尿病を発症するのです。

糖尿病を発症すると、あふれ出てしまった糖分が体内のさまざまな血管を傷付け、さまざまな臓器の機能低下を生じさせます。糖尿病の初期症状は自分で気付くのが困難であるため、日頃から生活習慣に注意しなければならない恐ろしい病気です。

NMNの糖尿病への効果は?

代表的な生活習慣病として知られる糖尿病ですが、NMNと糖尿病についてさまざまな研究が進められています。ここでは、NMNの糖尿病への効果とNMNと糖尿病に関する研究を紹介します。

NMNの糖尿病への効果

ワシントン大学医学部の今井先生と吉野先生のチームにより、NMNが糖尿病における血糖値制御不全を改善させる可能性があると、2011年に初めて報告されました。遺伝的な要素、高脂質・高カロリーの食事を長く続けること、加齢そのものが糖尿病のリスクになるといわれています。

この研究では、高脂肪食をマウスに食べさせることで、脂肪や肝臓におけるNADレベルが低下されることが判明しました。これは、人間も同じく普段から高脂質の食事を摂り続けていると、組織中のNAD量が減少してしまうことを示すのではないかと考えられています。この研究におけるマウスでは、血糖値の維持で重要な役割を果たす肝臓、すい臓、脂肪、筋肉におけるNAD量が加齢とともに減少することも判明しました。

高脂肪食を与えて耐糖能異常を生じさせたマウスへNMNを投与した実験では、耐糖能異常が改善するという結果が出ました。NAD量の減少は肝臓や脂肪に耐糖能異常を生じさせる一因となるとされており、NMNを摂取して、NADを補うことで耐糖能異常の改善につながるのではないかと指摘されています。このように、NMNには糖尿病への効果が期待されています。

参考文献:「Nicotinamide mononucleotide, a key NAD(+) intermediate, treats the pathophysiology of diet- and age-induced diabetes in mice」

NMNと糖尿病に関する研究

他にも、今井先生と吉野先生のチームは、マウスに対してNMNを12ヶ月の長期投与をする連投試験も実施しています。この実験では、NMNの安全性やさまざまな抗酸化作用が示されました。また、抗酸化作用のうち、耐糖能に対するNMNの効果も確認されています。

これらの実験結果からNMNの耐糖能異常への効果が期待されており、今後はなぜNMNが耐糖能異常を改善するのかなど、さらなる研究が待ち望まれています。

参考文献:「Long-Term Administration of Nicotinamide Mononucleotide Mitigates Age-Associated Physiological Decline in Mice」

糖尿病への効果が期待できるNMNの摂取方法

糖尿病への効果が期待できるNMNの摂取方法は、以下のとおりです。

  • 点滴療法
  • 吸入療法
  • 美容液
  • サプリメント
  • 点滴スプレー
  • NMNは一応食物からも摂取できる

それぞれの特徴やメリットなどについて詳しく解説します。

点滴療法

点滴療法は、NMNが含まれた製剤を点滴してNMNを注入する治療法です。施術は美容クリニックなどを受けることができ、1回の点滴は30分程度で終了します。

点滴療法でNMNを摂取するメリットは、NMNを効率的に摂取可能なため効果を感じやすいことです。NMNを点滴で直接体内へと注入するため、全身にくまなくNMNが行き届きます。サプリメントなどの他の摂取方法と比較して、より効果的にNMNを摂取できる治療法です。

サプリメントによる摂取方法では、肝臓や小腸でNMNの一部が代謝・分解されてしまいます。一方、点滴療法では、静脈注射でNMNを全身へと運搬していくため、NMNによる効果を実感しやすいです。

吸入療法

吸入療法は、NMNを鼻から脳の視床下部へ直接届ける治療法です。

大脳の下部には、ホルモン分泌や全身の代謝を調整する「視床下部」と呼ばれる器官があります。霧状のNMNを⿐から吸入することで、スピーディー、かつダイレクトに視床下部へ有効成分を届けます。

治療は吸入マスクを装着して行われ、所要時間も30分ほどと気軽にNMNを摂取可能な治療法です。

美容液

現在、NMNが配合された美容液も販売されています。そのような美容液を肌に塗ることでも、NMNを摂取可能です。スキンケアの一環として日常生活に取り入れやすく、手軽な点がメリットいえます。

NMNが配合された美容液はさまざまな品質のものが出回っているため、選ぶ際は以下のポイントに注目してみてください。

  • 「ニコチンアミドモノヌクレオチド」の記載が成分表示の上位にある
  • 高純度かつ安全なNMNが使用されている
  • 鉱物油や着色料などが使用されていない
  • 第三者機関の試験・検査によって純度・安全性が確認されている

サプリメント

サプリメントもNMNを気軽に摂取できる方法の1つです。サプリメントによるNMNの摂取を公表している芸能人もいるほど、近年では注目を集めています。

ただし、1カプセルあたりのNMN含有量は100mgと一見多いようにもみえますが、点滴療法と比べて実際に体内へ吸収される量は少ないという特徴があります。カプセルや錠剤などのサプリメントで口から飲む方法では、NMNの一部が肝臓や小腸で分解されてしまうため、その分効果も実感しづらいです。

NMNを効率的に摂取したい方には点滴療法が適していますが、忙しい場合や費用面でクリニックへ定期的に通院するのが厳しい場合は、サプリメントと他の摂取方法を合わせて摂取すると良いでしょう。

点鼻スプレー

NMNは体内でNADへと変換されたのち、サーチュイン遺伝子を活性化します。NADが健康面において重要な役割を果たしていますが、このNADを直接摂取できるのが点鼻スプレーです。

点鼻スプレーならではのメリットは、鼻にスプレーをすることで、嗅神経を通じて脳に直接作用できることです。点滴よりも気軽に摂取でき、また、肝臓や小腸で吸収・分解されることがないため、サプリメントよりも効率的に摂取できます。

NMNは一応食物からも摂取できる

NMNは食物にも含まれていることが知られており、一応以下のような食物からも摂取できます。

  • ブロッコリー
  • アボカド
  • 枝豆

ただし、これらの食物に含まれているNMNの量はごくわずかであり、食物を通じて十分な量のNMNを摂取するのは現実的ではありません。たとえば、1日100mgのNMNを摂取するためには、ブロッコリーを約40kgも摂取する必要があります。

NMNの副作用・危険性は?

NMNの安全性についてはさまざまな研究が進められており、NMNによる副作用は少ないとされています。

慶應義塾大学とワシントン大学が共同で実施したヒト臨床実験から、NMNは人間の体内へ安全に吸収されることがわかっています。健康な男性10名を対象として「ヒトへ安全にNMNを投与可能か」について調べた臨床実験で、以下の研究結果が報告されました。

  • 安全に投与できる
  • 投与した量に応じて、体内で代謝が行われている

ただし、NMNの安全性は高いものの、副作用や危険性がゼロというわけではありません。NMNを過剰摂取すると、代謝を担う肝臓・消化器官を障害する危険性があり、以下のような症状に陥る可能性があります。

  • 胃の不快感
  • 吐き気
  • 頭痛
  • めまい

糖尿病だけじゃない!NMNで期待できる他の病気の改善

NMNには、糖尿病以外の他の病気に対しても改善できる可能性があります。たとえば、動脈硬化の予防やアルツハイマー型認知症の改善、目の機能向上などの可能性があると指摘されています。

動脈硬化モデルにNMNを投与した実験では、動脈の柔軟性が増え、酸化ストレスが抑えられることが確認されました。また、アルツハイマー型認知症を発症する原因は、「アミロイドβ」というたんぱく質が脳に蓄積し、細胞死を起こすことだといわれています。認知症モデルにNMNを投与した実験では、記憶力と空間学習認知機能が向上し、発症前と同程度のレベルまで回復するという結果が得られました。

動脈硬化やアルツハイマー型認知症は加齢とともに悩みを抱える方が増える病気です。その点、NMNにはこれらの深刻な病気に対しても改善する効果が期待されており、今後ますます研究の進展が望まれます。

まとめ

この記事では、NMNの糖尿病への効果について解説しました。高脂肪食を与えて耐糖能異常を生じさせたマウスへNMNを投与した実験において、耐糖能異常が改善するという結果が報告されています。この実験結果からNMNには糖尿病を改善する効果があると期待されています。

他にも、NMNには動脈硬化やアルツハイマー型認知症を改善する効果が期待されており、NMNに関してさらなる研究が待ち望まれている状況です。NMNの摂取方法も紹介したので、NMNで糖尿病を改善・予防したい方や健康面を気にしている方はぜひ参考にしてみてください。

記事監修

足立 真由美

医療法人 涼葵会 理事長
足立 真由美
Adachi Mayumi

経歴

2001年 和歌山県立医科大学卒業、同年大阪医科大学形成外科教室入局
大阪医科大学大学院医学研究科卒業 医学博士取得
2003年 医療法人東和会 第一東和会病院形成外科勤務
同院、美容皮膚科・美容外科の設立に携わり、管理責任医師を担当。
2010年 某美容クリニック院長に就任
2014年 大阪心斎橋に、今までにない新たなコンセプトの美容クリニック「W CLINIC」を立ち上げる。
2017年 医療法人涼葵会 理事長に就任
2019年 医療法人涼葵会 W CLINIC 梅田院 開院

プロフィール

美容医療の豊富な経験から美容医療の枠を超え、東洋医学・アーユルベーダ等のホリスティック医療を展開。「美は健康な身体から」をテーマに、美容クリニックとは思えない多彩なアプローチで、最新の美を提供する大阪で注目されるクリニック。

中木 義浩

管理医師 アレルギー外来医師
中木 義浩
Yoshihiro Nakaki

経歴

1986年大阪市立大学附属病院 耳鼻咽喉科・形成外科 勤務
1990年社会医療法人景岳会 南大阪病院 耳鼻咽喉科 勤務
1991年医療法人宝生会 PL病院 耳鼻咽喉科・形成外科 医長
1994年大阪市立北市民病院 耳鼻咽喉科 医長
1998年なかき耳鼻咽喉科 院長

資格

・日本耳鼻咽喉科学会専門医
・補聴器相談医

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