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エクソソームの効果に関するエビデンスは?現状の研究内容や期待できる効果を紹介

近年若返り効果で注目を集めているエクソソームですが、エビデンスがあるのか疑問に思う方もいるのではないでしょうか。エクソソームは近年注目を浴び始めた美容医療なので、その効果には疑問が残ることもあります。

そこでこの記事では、エクソソームに関するエビデンスの現状や期待できる効果について解説します。昨今話題のエクソソームの理解を深めたい方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

エクソソームとは?

エクソソームとは、核を持つ細胞の中にある多胞体から分泌される細胞外小胞の1つです。通常は細胞の外に存在しており、その大きさは直径50〜15nmと、小さいです。

エクソソームの表面は細胞膜で覆われており、内部にはたんぱく質や核酸(マイクロRNA、DNA、メッセンジャーRNAなど)を含みます。私たちの体内に存在する細胞の役割は生命に必要な機能の維持ですが、その中でエクソソームは細胞同士の情報伝達を担っています。

エクソソームに関するエビデンスの現状

ここでは、エクソソームに関するエビデンスの現状を紹介します。まず、前提知識として、幹細胞培養上清液について押さえておきましょう。

幹細胞培養上清液とは、幹細胞を培養する際に生成される上清液のことで、健康効果があるとされています。この幹細胞培養上清液にはエクソソームが含まれており、幹細胞培養上清液を用いた治療のことをエクソソーム療法と呼ばれることもありますが、厳密には異なります。

これを踏まえて、エクソソームおよび幹細胞培養上清液のエビデンスを確認していきましょう。

エクソソームによる病気の診断の可能性

エクソソームは体液中に存在しており、細胞から分泌される際に分泌元の細胞の特徴を反映することから、病気の診断に応用できるのではないかと注目されています。

エビデンスを挙げると、以下のような研究結果が報告されています。

  • 国立がん研究センターは、血液中のCD147/CD9陽性エクソソームによる大腸がんの早期診断法を開発(参考文献1)
  • Exosome Diagnostics社(海外)は、エクソソーム中のRNAを利用した体液診断法を開発(参考文献2)
  • 東京都健康長寿医療センター研究所は、前立腺に特異的な膜表面タンパク質に対する抗体を用いることで、前立腺特異的エクソソームを回収できることを報告(参考文献3)

【参考文献】

  1. Hoshino A, Costa-Silva B, Shen TL et al. Tumour exosome integrins determine organotropic metastasis. Nature. 2015, 527, 329-335. doi: 10.1038/nature15756.
  2. わずかな血液で大腸がんを発見 がん細胞が分泌するエクソソームを簡便に検出する画期的方法を開発
  3. McKiernan J, Donovan MJ, O’Neill V et al. A Novel Urine Exosome Gene Expression Assay to Predict High-grade Prostate Cancer at Initial Biopsy. JAMA Oncol. 2016, 2, 882-889. doi: 10.1001/jamaoncol.2016.0097

難治性疾患の新たな治療法の確立に向けて

自治医科大学医学部の研究チームは、難治性疾患の新たな治療法の確立に向けて、幹細胞培養上清液の研究を進めています。

同チームは幹細胞培養上清液について、細胞組織を修復・再生させる効果が期待されると述べています。

また、2020年の「幹細胞培養上清の浄化濃縮法の開発と再生医療への応用」という研究おいて、429万円の科学研究費の助成を受けました。

科学研究費助成事業は先駆的な研究に対して助成金を出すもので、幹細胞培養上清液の研究が先駆的・独創的であると認定されたというわけです。

痛みを和らげる治療法の確立に向けて

痛みを和らげる治療法の確立に向けても、幹細胞培養上清液の研究が進んでいます。以下の2つの研究は、「幹細胞培養上清液には病気の痛みを和らげる効果があるのではないか」という仮説のもと進められたものです。

どちらも大規模に実施された研究ではありませんが、エクソソームや幹細胞培養上清液に高い期待が寄せられていることがわかるでしょう。

パーキンソン病の低リスクな治療法確立に向けて

日本歯科大学の研究チームも科学研究費の助成を受けており、ヒト組織幹細胞の培養上清を用いた新しい神経再生療法の開発を目指しています。

同チームの研究テーマは、「口腔内から採取したヒト組織幹細胞培養上清を用いたパーキンソン病への再生開発」です。

同チームはこれまでに、幹細胞から生成した神経系細胞をパーキンソン病に罹った動物の脳へ移植することで、症状を回復させることに成功しています。

厚生労働省のグループがエクソソームに注目している

厚生労働省には、「再生医療等安全性確保法の見直しに係るワーキンググループ」というグループがあります。

同グループに所属するのは国内における再生医療研究の第一人者たちで、遺伝子医療や再生医療のルール作成を進めています。なお、同グループの第2回会合では、エクソソームについての話し合いが設けられました。

このようにエクソソームや幹細胞培養上清液は、厚生労働省も注目しているのです。

エクソソームが「効果なし」といわれる理由

ここまでエビデンスを紹介してきたエクソソームですが、「効果なし」といわれることもあるようです。ここでは、その理由について解説していきます。

研究に基づくエビデンスが十分でない

エクソソームの効果や機能が詳しく判明してきたのは比較的最近のことで、エクソソーム療法は新しいものです。そのため、今もなお研究が進められている段階で、エビデンスといえるものが十分集まっていないのが現状です。

このことからエクソソームに本当に効果があるのか疑問を感じてしまい、「効果なし」と考えられてしまうことがあります。

効果を実感するまでに時間がかかる

エクソソームの効果を実感するまでの時間は、人によって異なります。治療法や体質によって個人差はあるものの、2週間から1ヶ月程度で効果を感じる方が多いです。

エクソソームの効果は即効性がなく、すぐに効果を感じるのは困難で、効果を実感するまでに時間がかかることから「効果なし」といわれてしまうことがあります。

低品質のエクソソームでは効果が低い

エクソソームの効果は、エクソソームの品質にも左右されます。低品質のエクソソームでは、十分な効果は得られません。

エクソソームは、以下のような要素によって品質が変わります。

  • 元となる幹細胞のドナー
  • どこの部位の細胞から幹細胞を採取したか
  • 製造過程・輸送がきちんと管理されているか

エクソソームの効果を十分に感じるためには、品質の高いエクソソームを用いることが求められます。

新しい技術であるため知識が十分でない

エクソソームは新しい技術であるため、正しい知識が十分に広まっていません。そのため、エクソソームについて誤った理解をして、「効果なし」と判断してしまう方がいます。

医療従事者でもエクソソームについて十分な知識がない場合もあるため、エクソソームについて正しく理解する必要があります。

エクソソームに期待できる効果

エクソソームに期待できる効果は、以下のとおりです。

  • 細胞組織・神経を修復する
  • コラーゲンやエスラチンの生成を促進する
  • 肌のターンオーバーを促進する
  • 抗炎症・抗アレルギー・免疫調整作用がある
  • 毛髪の再生を促す
  • 疲労回復・健康維持に役立つ

それぞれ詳しく見ていきましょう。

細胞組織・神経を修復する

エクソソームに期待できる効果として、細胞組織・神経を修復する効果が挙げられます。具体的な効果は、以下のとおりです。

  • 損傷した組織の細胞分裂を活性化し、細胞再生力を向上させ、機能を回復させる
  • 組織(筋肉・内蔵・末梢神経など)の損傷した患部を修復する

コラーゲンやエスラチンの生成を促進する

エクソソームは線維芽細胞という細胞に作用するため、コラーゲンやエラスチンの生成が促進されます。

コラーゲンやエスラチンの役目は、肌に潤いを与えたり、肌をしなやかかつ丈夫にしたりすることです。そのため、コラーゲンやエラスチンの生成が促進されることで、美肌効果を得られるでしょう。

肌のターンオーバーを促進する

エクソソームには、肌のターンオーバーを促進する効果が期待できます。肌のターンオーバーとは、肌細胞や皮膚が生まれ変わることです。

肌のターンオーバーが促されることで、肌全般のトラブルに対して改善が見込めます。エクソソームは肌・皮膚全体のターンオーバーに対してアプローチ可能なため、肌に関する悩み全体にアプローチできます。

抗炎症・抗アレルギー・免疫調整作用がある

エクソソームには、抗炎症・抗アレルギー・免疫調整作用があると期待されています。医療分野においてアトピー性皮膚炎などへの臨床応用が検討されるほどで、アレルギー反応や炎症の抑制効果に期待が高まっています。

以上のような効果から、炎症や肌トラブルを抑制し、肌の調子を良くする効果が期待できるでしょう。

毛髪の再生を促す

AGA治療や薄毛対策においても、エクソソームが使用されつつあります。エクソソームは、髪の毛の再生を支える成分を毛根へと供給する役割を担っています。

エクソソームが毛包細胞を増殖・分化させるため、髪の毛の発育に効果的です。また、傷ついた頭皮や毛皮を修復し、頭皮環境を整える役割も担います。

疲労回復・健康維持に役立つ

エクソソームは血管の新生を促進することで、身体だけでなく脳にもアプローチ可能です。これにより、「疲れやすい」「回復が遅い」などの加齢による悩みを改善できるでしょう。

また、更年期障害や免疫力の衰え、不眠症などにも効果が期待でき、健康維持に役立ちます。現在、心筋梗塞や脳疾患(脳卒中・アルツハイマー型認知症など)といった医療分野での応用に向けて、さまざまな研究が進められています。

まとめ

昨今、エクソソームおよび幹細胞培養上清液の研究が進んでいます。現状はエビデンスが少ないものの、その健康効果や美容効果から多くの注目を集めています。

厚生労働省も注目するほどの先駆的な療法であるため、これを機にエクソソームについてしっかりと理解しておきましょう。エクソソーム療法が気になるという方は、Wクリニックの施術メニューをチェックしてみてください。

記事監修

足立 真由美

医療法人 涼葵会 理事長
足立 真由美
Adachi Mayumi

経歴

2001年 和歌山県立医科大学卒業、同年大阪医科大学形成外科教室入局
大阪医科大学大学院医学研究科卒業 医学博士取得
2003年 医療法人東和会 第一東和会病院形成外科勤務
同院、美容皮膚科・美容外科の設立に携わり、管理責任医師を担当。
2010年 某美容クリニック院長に就任
2014年 大阪心斎橋に、今までにない新たなコンセプトの美容クリニック「W CLINIC」を立ち上げる。
2017年 医療法人涼葵会 理事長に就任
2019年 医療法人涼葵会 W CLINIC 梅田院 開院

プロフィール

美容医療の豊富な経験から美容医療の枠を超え、東洋医学・アーユルベーダ等のホリスティック医療を展開。「美は健康な身体から」をテーマに、美容クリニックとは思えない多彩なアプローチで、最新の美を提供する大阪で注目されるクリニック。

中木 義浩

管理医師 アレルギー外来医師
中木 義浩
Yoshihiro Nakaki

経歴

1986年大阪市立大学附属病院 耳鼻咽喉科・形成外科 勤務
1990年社会医療法人景岳会 南大阪病院 耳鼻咽喉科 勤務
1991年医療法人宝生会 PL病院 耳鼻咽喉科・形成外科 医長
1994年大阪市立北市民病院 耳鼻咽喉科 医長
1998年なかき耳鼻咽喉科 院長

資格

・日本耳鼻咽喉科学会専門医
・補聴器相談医

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