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NMNが高齢者に及ぼす影響について解説【論文引用あり】

加齢に伴いヒトの運動機能は徐々に変化します。

身体的パフォーマンスの低下は著しく、高齢者は睡眠の質が下がり、筋力・持久力の衰えによって歩行能力なども低下します。

美容に関心を持つ方の中には、老化を懸念して、高齢者のパフォーマンスを向上させる可能性を持つNMNニコチンアミドモノヌクレオチド)に注目する方も少なくありません。

本記事では、NMNがヒトに及ぼす影響や安全性を調査した研究論文を元に、高齢者に及ぼす影響について詳しく解説いたします。

NMNについて興味がある方は、大阪北新地にあるWクリニックオムへお気軽にお問い合わせ下さいませ。

NMNについて

NMNはビタミンB3群の中に含まれている物質で、抗老化作用を発揮する成分として美容業界に近年とても注目されています。

ヒトがNMNを摂取した場合、体内でNAD+ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)と呼ばれる物質に変換されます。

NAD+はヒトの健康・体力の維持をサポートするため、身体の健康状態をキープするとともに疾患の治療・予防に役立つ可能性がある成分です。

 

NMNから変換されたNAD+は、ミトコンドリアでエネルギーを作り出す際に欠かせない補酵素なので、なくなるとエネルギーが作り出せなくなり、生物は生命を維持できなくなります。

その重要なNAD+は全ての生き物の体内に存在し、若さと健康維持に影響を与えていますが、10代後半をピークに減少していきます。

さらに40代になるとピーク時の半分まで減少してしまうことで、加齢がはじまり、身体機能や認知機能の老化が進むと考えられています。

 

また、NMNはブロッコリーや枝豆などの緑黄色野菜にも含まれていますが、野菜に含まれるNMNの量はごく僅かです。

その為、体内のNAD+濃度を上げる方法として、NAD+の原材料であるNMNを補うことが出来る成分を凝縮したサプリメントの摂取や直接投与が出来る点滴が推奨されています。

NMNが高齢者に及ぼす影響について、以下の項目で詳しく解説しましょう。

NMNの可能性を研究で実証

高齢者がNMNを時間依存的に摂取した場合に生じる身体能力・健康状態の影響に関しては、2022年2月に承認済みになった論文の中で研究結果について詳しく記載されています。

ニコチンアミドモノヌクレオチドの時間依存的な摂取が、高齢者の睡眠の質、疲労、および身体能力に及ぼす影響

参考:https://www.mdpi.com/2072-6643/14/4/755
(『Effect of 12-Week Intake of Nicotinamide Mononucleotide on Sleep Quality, Fatigue, and Physical Performance in Older Japanese Adults: A Randomized, Double-Blind Placebo-Controlled Study』)

高齢者の睡眠の質や疲労、身体能力に及ぼす影響について、実際にNMNを投与することによって実証したもので、日本の筑波大学に所属する研究開発チームが携わっており、信頼性の高いエビデンスだと言えるでしょう。

研究では、まず最初に108人の参加者を下記の4つのグループに分類しています。

  1. NMNを午前中に摂取するグループ
  2. NMNを午後に摂取するグループ
  3. プラセボを午前中に摂取するグループ
  4. プラセボを午後に摂取するグループ

参加者は12週間にわたって薬剤(1日につき250mgのNMNを1回経口投与)を摂取します。なお、プラセボを摂取するグループに分類されている参加者はNMNが含まれている薬剤を摂取しません。

この分類によって研究チームはNMNが及ぼす影響を調査しました。

NMNが高齢者に及ぼす影響

最初に、睡眠の質に関する調査結果をご紹介します。

研究はピッツバーグ睡眠質問票を用いており、全グループの参加者に睡眠時間や睡眠障害、横になって眠るまでの所要時間などを記入させた上で睡眠の質を判断しています。

研究チームが調査した結果、とりわけ交互作用が有意になることはありませんでした。

しかし、NMNが含まれている薬剤を午後に摂取したグループのみ参加者の眠気の減少・睡眠の質の改善を示しているため、NMNを夜間に継続的に摂取することで高齢者の疲労軽減や睡眠の質の改善に貢献する可能性があります

 

次に、NMNを12週間摂取することで高齢者の身体的パフォーマンスに及ぼす影響をご紹介します。

先の研究ではシットトゥスタンド(繰り返し椅子に立ち座る)や握力、5メートル程度の歩行など、簡単なテストを通してグループ参加者の身体能力について評価しました。

測定の結果、シットトゥスタンドを5回繰り返す身体能力テストでは有意な交互作用が観察されています。

NMNを午後に摂取したグループは全体的に他のグループよりスコアが高く、時間依存的摂取によって身体機能障害や加齢に伴う疾患を予防できる可能性があります

午後にNMNを摂取したグループに所属する対象に疲労改善の傾向が生じたため、サプリメントなどによってNMNを効率的に補給することで高齢者が抱く倦怠感を取り除き、健康状態をサポートしてくれる可能性もあります

 

必ずしも摂取したすべての高齢者に影響が生じるわけではありません。

ヒトに対する臨床研究によってNMNが良い影響を与える可能性は示されましたが、詳しい作用に関しては今後さらなる検証を重ねる必要があるでしょう。

摂取後の健康状態

各国の研究開発チームはNMNの持つ作用に関する実験と並行して、ヒトが摂取した後の安全性についても詳しく調査していました。

参考:https://www.mdpi.com/2072-6643/14/4/755
(『Effect of 12-Week Intake of Nicotinamide Mononucleotide on Sleep Quality, Fatigue, and Physical Performance in Older Japanese Adults: A Randomized, Double-Blind Placebo-Controlled Study』)

先の研究では、12週間にわたって臨床研究の対象である高齢者がグループ別に異なる薬剤を特定の時間帯に摂取しています。

結果として、NMNを摂取したグループ内の対象者に悪影響が確認されることはありませんでした

その他のNMNに関するエビデンスの中には、高齢者に対する臨床研究とは別に20〜65歳の健康な男女を対象としてNMNを投与した結果を調査する研究も確認されています。

参考:https://www.nature.com/articles/s41598-022-18272-y(『Safety evaluation of β-nicotinamide mononucleotide oral administration in healthy adult men and women』)

健康な成人男性および成人女性がNMNを最大4週間にわたって摂取したケース(1日につき1250mgのNMNを1回経口投与)では、期間中に下記の有害事象が報告されています。

  • 風邪
  • 軟便
  • 高血圧
  • 尋常性ざ瘡

しかし、いずれもNMNの投与による直接的な因果関係はないと判断されたため、健康な成人男女の場合は最大4週間、高齢者の場合は12週間程度にわたってNMNを摂取しても現状は危険性がなく安全であると推測されています。

試験期間中に5件の有害事象(1件目はNMNではなくプラセボを投与された対象者のため無関係)が認められたが、いずれの有害事象も被験食品の投与と直接的な因果関係はないと試験責任者が判断した

(”Five adverse events were observed during the study period, but the study principal investigator determined that there was no direct causal relationship between the administration of the test food and any of the adverse events. “)

参考:https://www.nature.com/articles/s41598-022-18272-y
(『Safety evaluation of β-nicotinamide mononucleotide oral administration in healthy adult men and women』)

終わりに

NMNは加齢によって低下した高齢者の身体的パフォーマンスを向上させるだけでなく、下記のような効果も期待できます。

  • サーチュイン(長寿)遺伝子の活性化により若々しさを取り戻す
  • 体力がよみがえる
  • 熟睡できる
  • ホルモンバランスが整う
  • 運動中の呼吸が楽になる
  • 肌のキメがアップ
  • ミトコンドリアの活性化
  • 頭がスッキリする
  • 思考・集中力が高まる
  • 代謝が上がる

Wクリニックオムでは、患者様1人1人に合わせた投与量をカウンセリングしながら決めさせていただいております。

興味を持った方は是非NMN点滴をご検討ください。

スタッフ一同、心より皆様のご来院をお待ちしております。

記事監修

足立 真由美

医療法人 涼葵会 理事長
足立 真由美
Adachi Mayumi

経歴

2001年 和歌山県立医科大学卒業、同年大阪医科大学形成外科教室入局
大阪医科大学大学院医学研究科卒業 医学博士取得
2003年 医療法人東和会 第一東和会病院形成外科勤務
同院、美容皮膚科・美容外科の設立に携わり、管理責任医師を担当。
2010年 某美容クリニック院長に就任
2014年 大阪心斎橋に、今までにない新たなコンセプトの美容クリニック「W CLINIC」を立ち上げる。
2017年 医療法人涼葵会 理事長に就任
2019年 医療法人涼葵会 W CLINIC 梅田院 開院

プロフィール

美容医療の豊富な経験から美容医療の枠を超え、東洋医学・アーユルベーダ等のホリスティック医療を展開。「美は健康な身体から」をテーマに、美容クリニックとは思えない多彩なアプローチで、最新の美を提供する大阪で注目されるクリニック。

中木 義浩

管理医師 アレルギー外来医師
中木 義浩
Yoshihiro Nakaki

経歴

1986年大阪市立大学附属病院 耳鼻咽喉科・形成外科 勤務
1990年社会医療法人景岳会 南大阪病院 耳鼻咽喉科 勤務
1991年医療法人宝生会 PL病院 耳鼻咽喉科・形成外科 医長
1994年大阪市立北市民病院 耳鼻咽喉科 医長
1998年なかき耳鼻咽喉科 院長

資格

・日本耳鼻咽喉科学会専門医
・補聴器相談医

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